代々培われた職人の技術と品質管理体制
京生麩 志場商店は、江戸時代後期の創業から現在まで、京都・壬生の地で4代にわたり京生麩作りの伝統を守り抜いてきた専門製造業者です。同社の生麩製造は、グルテンと餅粉を主原料とし、原材料受け入れ検査での目視による異物混入・変色・異臭の確認から始まる16工程の厳格な製造管理により支えられています。職人の長年の経験に基づく計量とカット技術、その日の生地の硬さに応じた茹で時間の精密な調整、柔らかい生地を木型にはめて真っすぐに成型する高度な技術など、機械では代替できない職人の感覚と技術が品質の要となっています。
製造工程では、原材料混合時においてよもぎ麩にはよもぎを、あわ麩には粟を加えるなど、各商品の特性に応じた細やかな配合調整が実施されています。蒸し工程での温度・時間管理、流水冷却による適切な温度調整、検品作業での品質確認、包装から金属探知機検査、冷凍保存、袋詰め、箱詰め、出荷に至るまで、手作業による常時の目視検査体制を維持し、一貫した高品質を実現しています。
京都の食文化を反映した多様な商品展開
京生麩 志場商店は、京都の料理人との密接な協働関係を基盤として、伝統的な生麩の枠を超えた革新的な商品開発に取り組んでいます。定番のよもぎ麩とあわ麩を基幹商品としながら、関わりのある京都の料理人からの具体的な要望に応える形で、七味、からし、くりといった新商品を継続的に開発しています。生麩まんじゅうにおいては、よもぎ、黒ごま、南瓜、抹茶、ほうじ茶、桜紅、柚子の7種類を展開し、色とりどりの生地と餡の組み合わせによる視覚的な美しさと味覚の多様性を両立させています。
同社の生麩は、京都市内の料理店において幅広く活用されており、京色Fuji屋での車海老と賀茂茄子と生麩の揚げ出し、赤味噌・白味噌・木の芽味噌を使った田楽、叶夢での生麩の餡かけ焼きそばや生麩の抹茶アイスパフェなど、プロの料理人による創意工夫を凝らした料理に使用されています。棒麩や花麩の各種サイズでの製造、進物用化粧箱の提供など、業務用から贈答用まで多様なニーズに対応する総合的な商品展開を実現しています。
新規事業による生麩文化の現代的展開
京生麩 志場商店は、生麩料理専門店「shibaF」の立ち上げにより、生麩をより身近で馴染みのある食材にするという新たな挑戦を開始しています。同専門店では、生麩の可能性を探求した革新的な料理やデザートを開発・提供し、従来の生麩の概念を超えた新しい食体験を創造しています。多数の熟練した職人が揃う京生麩 志場商店の技術力を背景に、京都の食文化の奥行きと多様性を反映した商品展開を実現し、若い世代を含む幅広い層への生麩文化の普及を図っています。
体験型の食文化普及活動として、京の宿綿善旅館での生麩づくり体験イベントや天麩羅ナイトへの参加を積極的に展開しています。炙り餅風とあんこを包んだおまんじゅうの製作体験では、参加者が直接生麩作りの工程を学べる機会を提供し、伝統食材への理解と関心を深める取り組みを継続しています。これらの活動を通じて、生麩の歴史的意義と現代的価値を同時に伝える教育的な役割も果たしています。
全国展開による伝統食材の価値普及
京生麩 志場商店は、室町時代に中国から伝来し、肉食を禁じられていた僧侶の貴重なタンパク源として重用されてきた生麩の歴史的価値を現代に継承しています。鎌倉時代末期には精進料理の一食材として用いられ、京都の清らかな軟水が豊富な環境で育まれた生麩文化は、歴史や文化が連綿と続く京都の地において変わらずその味と伝統を引き継いでいます。現代の健康志向の高まりに対応し、低カロリーで消化吸収が良い健康食品として、栄養価が高くダイエットにも適した植物性タンパク質を提供しています。
オンラインショップ「志屋」を通じた全国への販売展開により、手作りならではの穴あきや空気の入った訳あり商品を初回限定で提供するなど、多くの人に生麩を試してもらう機会を創出しています。生麩特有のモチモチとみずみずしくツルっとした食感は、普通のおまんじゅうでは味わえない独特の特徴を持ち、噛むにつれて上品な旨味と風味が最後まで口の中に残る高品質な食体験を実現しています。厳選したグルテンやもち米などの原材料へのこだわりと送料無料での初回限定セット販売により、伝統食材の現代的な価値を全国の消費者に提案し続けています。
